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『ポイニクス』ってのはどうだ?
――飼っていた鳥が死んだ。
飼っていた鳥――『ポイニクス』は炎のように真っ赤な羽根を持っていた。私はポイニクスが舞うように羽ばたく姿が揺らめく炎のようで好きだった。
ポイニクスは鳥にしては長すぎるほど生きていた。それに一度も羽の輝きを失ったこともなかった。赤い翼は常に燃え続けていたのだ。
寿命だと言えたらどれだけ良かったことか。
ポイニクスが死んだのは私のせいなのだ。私が火のついたマッチを落としてしまったのがいけなかったのだ……。
そもそも、私が旧友に会えた喜びで煙草を吸わなければ……。
今更後悔してももう遅い。
そう、遅いのだ。
何もかも
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