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――私は目の前にある灰をどうしたら良いのだろう。
炎は燃え尽きてしまった。もうポイニクスの舞うように飛び回る姿を見ることはできない。
パチパチと灰すら残そうとしない残り火を、私は消した方が良いのだろうか。それとも、まだ足掻いているポイニクスのために消さない方が良いのだろうか。
私は何もできなかった。
燃えるポイニクスを前に、呆然と立ち尽くしていた。ポイニクスを呼び止め、その炎からポイニクスを救い出そうともしなかった。
ただ、立っていた。
何もせずに、ポイニクスを見ていた。
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