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24 風見兄妹
* * *
帰還した翔太と柊がワープルームを出ると、部屋着のまま歩いている花琳と海奈と出くわした。
「あ、2人とも帰ってきたんだな」
「翔太君、柊ちゃん、お疲れ様」
「ありがとうございます」
2人はそう言って軽く会釈をした。すると海奈が、ふと何か思い出したように翔太の方を見る。
「そういえば、翔太の妹が談話室に来てたぞ」
「何!?燕がか?」
「うん。聖夜も一緒だったな」
「……先行く」
「あ、ちょっと、報告は!?」
翔太は柊は呼びかけにも応じず、廊下を走って行ってしまった。
「もう……」
溜息をつく柊を見て、2人は顔を見合わせて笑った。
「立場逆転ね」
「翔太、妹のことになるとすぐ熱くなるからな」
2人の言葉に、柊は少しむくれて頷く。
「ほんとですよ……報告は私だけで行こうかな」
「その前に、柊も聖夜に会ってきたらいいんじゃないか?」
海奈の言葉に、柊は不思議そうな顔をした。
「何で聖夜に?」
「何でって……今日は帰りが遅かったし、遠方の任務だっただろ?聖夜も心配してるよ」
「聖夜君に会ってから、翔太君と一緒に総隊長に報告すればいいわよ」
花琳と海奈にそう言われ、柊は少し間を置いて頷いた。
「うーん……それもそうですね。私も行ってきます」
柊は2人に軽く礼をし、早足で談話室に向かった。
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