24 風見兄妹

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* * * 「燕!」  翔太は談話室のドアを勢いよく開けた。 「お兄ちゃん!」  燕は翔太に気づくなり駆け寄り、抱きついた。 「ずっと1人で頑張らせて、ごめんね……」 「いいんだ……燕が無事なら、何だっていい」  翔太は優しい声でそう告げ、燕のことを抱き締め返した。 「お兄ちゃん……」  燕は涙を堪えながら、翔太の胸に顔を埋める。 「よかったな、2人とも」  聖夜はそんな2人を眺めて微笑んだ。 「燕ちゃん、明日改めて診察があるみたいだけど、多分退院できるって」 「そうか……ありがとう、聖夜」 「うん。……ところで、柊は?」 「一緒に帰ってきた。さっきまで花琳さん達と話していたが……」  2人にが柊を話題に上げた丁度その時、談話室のドアが開いて柊が入ってきた。 「ただいま~……」 「柊!」  聖夜は柊に駆け寄った。 「怪我とかしてないか?」 「心配しすぎ。大丈夫だよ」 「そっか……よかった」 「そんなに不安だったの?」 「うん……2人は強いから大丈夫だって信じてたけど、日が暮れた辺りからだんだん心配になってきちゃって……」  聖夜はそう言って苦笑いする。 「そっか……遅くなってごめんね」  柊が謝ると、聖夜はゆっくり首を横に振り、穏やかに微笑んだ。 「ううん。おかえり柊」 「うん。ただいま」  柊も、聖夜に微笑み返す。そうしていると、再びドアが開いて琴森が入ってきた。 「やっぱり、ここにいたのね。翔太君、柊さん、報告は?」 「あ!」 「すみません。今行きます」 「よろしい。……あ、聖夜君、あなたも呼ばれてたわよ」 「俺も?何でですか?」 「確か……渡したい物があるって言ってたわ」 「渡したい物か……分かりました。行ってきます」 「ええ。……燕さんは、私が病院まで送っていくから。3人とも行ってきて」  琴森に促され、3人は燕と別れて談話室を出た。
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