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「……不安なんです。戦えるかどうか」
「どういうことだ?今までも君は戦ってきたはずだが」
「そうですが……それは高次元生物が相手だったから……人間相手じゃなかったから戦えたんです。人を傷つけると思うと……」
そう言って俯く聖夜に対して、千秋は険しい顔を見せる。
「厳しいことを言うが、高次元生物も人間も関係ない。敵は敵だ」
「でも……!」
「翔太と柊は戦ったぞ」
それを聞いて、聖夜は2人の方を見た。
「2人は平気なのか……?化け物相手じゃないんだぞ?人間を倒さなきゃいけないんだぞ?」
聖夜は訴えるように話す。その声は震えていた。
「落ち着け聖夜。らしくないぞ」
翔太に窘められて聖夜は口をつぐんだ。不安の滲み出た表情をする聖夜を見て、翔太は溜息をついた。
「お前は優しすぎる。これから戦う敵は、容赦なく俺達を殺そうとしてくるんだ。高次元生物と何ら変わらない」
「そうかもしれないけど……」
「躊躇っていればやられる。自分が死ぬだけじゃなくて、大事な仲間を殺すことになるかもしれないんだ。……だから、俺は戦う」
「翔太……柊は?」
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