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「キィ……!」
高次元生物は夏実達に狙いを定めて掌からエネルギー砲を放つ。
「させない!」
リーダーの少女が立ち塞がり、再び桜の壁を展開する。するとエネルギーは吸収され跡形もなく消え去った。
「千秋!今!」
「分かってる!『火炎弾』!」
千秋が高次元生物の左胸目がけて炎を放った。炎が弱点に命中し、高次元生物は苦しそうに悶える。
「千秋!これでとどめを!」
眞冬が投げた銃を受け取り、高次元生物に発砲する。乾いた音が辺りに響き渡り、高次元生物が力無く崩れ落ちた。
「やったのか……」
高次元生物を見下ろす千秋の元へ3人が駆け寄ってきた。
「やったじゃん、千秋!」
眞冬がわしゃわしゃと千秋の頭をなで回す。それを嫌な顔で止めようとする千秋を見て、他の2人がくすりと笑った。
「とにかく……後は撤収するだけだね」
千秋の言葉に3人は頷きその場を立ち去ろうとしたその時だった。
「キィ……!」
か細い声と共に、高次元生物が起き上がり、勢いに任せて鋼鉄の腕を千秋に振り下ろした。
「え……?」
「千秋!」
次の瞬間、少女に突き飛ばされ千秋は地面に倒れ込んだ。
「痛……」
起き上がった千秋の目の前には信じられない光景が広がっていた。
「は……?」
鋼鉄の腕が少女の体を貫いていたのだ。
「うわあああ!!」
千秋は悲鳴を上げながら、手に持っていた銃で高次元生物を撃ちまくる。
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