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「何でも屋をしてたんですよね。その後、特部に入られたとか……全部聞きました。千秋さん達がいる特部を頼りなさい。きっと助けてくれるって」
「そうか……明日人さんは無事なのか?」
「今のところは……でも、いつどうなるか分かりません」
「父さん、危ない目に遭ってるのか!?」
聖夜の言葉に、少女は黙って頷いた。
「そんな……どこにいるんだ?早く助けないと!」
「聖夜、落ち着いて」
柊は焦る聖夜の背中に手を添えて、冷静に声をかけた。
「まずは話を聞かなきゃ」
「……うん、ごめん」
聖夜が静かになったのを確認して、少女は口を開いた。
「私は明星旭……未来人から逃げてきました」
「未来人……?」
「はい。彼らは高次元生物を生み出して、人を襲っています。アビリティの恐ろしさを知らしめるために」
「高次元生物を生み出してるってことは、アリーシャ達か……?」
翔太が尋ねると、旭は頷いた。
「どうして、高次元生物でアビリティの恐ろしさが伝わるの?逆じゃない?」
「それは……高次元生物は、元人間だからです」
旭の言葉に、部屋の中が静まり返る。
「高次元生物は……元人間……?」
聖夜は震える声で旭の言葉を反芻した。信じがたい現実を飲み込むように。
「それは本当なのか?」
千秋が冷静に旭に問う。旭はゆっくりと頷いて、明日人の手帳を手渡した。
「これに全部書いてあります」
千秋は手帳を開き、その内容を読み始めた。
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