27 核心

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* * * 「……信じられないが、明日人さんは嘘をつかない」  千秋は手帳を閉じ溜息をついた。 「まさかこんなことになるとはな……」 「……ごめんなさい」 「君が謝ることじゃない。それより……明日人さんは君が特殊だと言っているが、どういう意味だ?」  千秋が尋ねると、旭は自分の胸に手を当てて目を伏せた。 「それは……私、アビリティを2つ持ってるんです。特異体質で」  旭の答えに、千秋は目を丸くする。 「アビリティを2つも……?」 「はい。1つ目は『未来予知』2つ目は……1度も使ったことのない、役立たずのアビリティです」 「そうか……なら、実質1つだな」  旭は頷くと、聖夜に目を向けた。 「え……?」  何故か目が合って、聖夜は首を傾げた。 「そういえば、君は聖夜を探していたんだったな。何故だ?」  千秋に問われると、旭は微笑みながら聖夜に歩み寄って答えた。 「それは……彼が世界を救うから」 「世界を救う!?」  聖夜は驚いて目を丸くした。 「はい。私の視た『未来』では、あなたが世界を救うことになってるの。だから、特部に来る途中、ずっとあなたを探してた。未来人から、みんなを守るヒーローさん」  旭はそう答えると、聖夜の両手を優しく包んだ。
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