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「はい?」
「君の部屋に旭を置いてやってくれないか?」
「……いいですけど、ベッド、一つしか無いですよ?」
「わ……私、床で寝ます!だからお願いします!」
「いやいや、怪我人にそんなことさせられないよ。うーん……床に布団でも敷ければいいんだけど」
頭を悩ませる柊に対して、聖夜が隣から声を掛ける。
「なぁ、空き部屋のマットレスと掛け布団を持って行けばいいんじゃないか?俺も手伝うよ」
「……そうだね。聖夜、お願いしてもいい?」
「もちろん!」
聖夜は柊に頷くと、旭に優しく笑いかけた。
「俺がヒーローなのかは分からないけど……よろしくな、旭」
「は……はい!」
顔を真っ赤にして頷く旭を見て、柊もやれやれと微笑んだ。
「それじゃあ、空き部屋に案内しますね。ついてきて下さい!」
「はい!」
聖夜と柊、そして旭は真崎の後について行った。千秋と翔太がその場に取り残され、部屋が急に静かになる。
「……賑やかになったな」
「ええ。本当に」
翔太は苦笑いして頷いた。
「確か、騒がしいのは苦手だったか」
「今はそうでもありませんよ。……あいつらが来てから、俺も随分変わりましたから」
翔太はそう言うと、穏やかな表情を見せる。
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