28 旭と柊

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「あら、清野さんに柊ちゃん!それと……?」  花琳は旭を見るなり、不思議そうな顔をする。その表情を見て、旭は慌てて口を開いた。 「あ、明星旭です!えっと……」 「花琳さん、彼女は敵から逃げてきた子なんだ。ついさっきここに来た」  清野が説明すると、花琳は納得して頷いた。 「そうなんですね。私は美ヶ森花琳。特部の一員です。よろしくね、旭ちゃん」 「は、はい!」  優しく微笑む花琳を見て、旭は慌てて頭を下げた。 「2人はもう戻るの?」 「旭の怪我が酷かったからそのつもりだったんですけど……」 「少しゆっくりしていったらどうだい?適度な入浴は疲労回復にいい。旭さん、どうかな?」  柊の言葉に、清野は穏やかな声色で提案した。 「は、入ります!柊さん、いいですか?」 「大丈夫だよ。行こっか」 「はい!」  旭と柊は浴槽へ向かった。湯船に浸かると疲れがじんわりと溶けていく。少しぬるいお湯が心地良かった。 「はぁ……」  柊はあまりの気持ちよさに溜息をついた。 「気持ちいいね……」 「はい……そうですね……」  2人が湯船でリラックスしていると、シャワーを浴びてきた清野と花琳も浴槽へやって来た。 「失礼するよ」 「どうぞどうぞ~……」  2人は湯船に浸かると、柊同様に溜息をついた。 「いい湯加減ね……」 「その通りだね……。みんな疲れているだろうし、それも相まって気持ちいいだろう」 「はい。足も伸ばせるし、やっぱり大浴場はいいわね……」  花琳の言葉に3人は頷いた。 「そういえば……柊さん、いつの間に翔太君といい仲になっていたんだい?」  清野の言葉に、柊は目を丸くした。 「え!?ど、どういうことですか!?」 「翔太君、疲れて眠ってしまった柊さんを背負って医務室まで運び、目が覚めるまで傍で待ってたのだが……あの眼差しは間違いなく彼氏のそれだった」  清野はそう言ってニヤリと笑う。
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