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「な、何にもないよ!」
「ほんとか?」
「本当に!」
「そっか……。ならいいんだけど」
聖夜はそう言って味噌汁を飲み干した。追求を逃れた柊が、ホッと胸をなで下ろしたその時。
『特部隊員と明星旭さんに連絡します!総隊長室に集合して下さい!』
真崎の声がスピーカー越しに響いた。聖夜と柊は顔を見合わせて頷く。
「行こう。柊」
「うん。旭も行こう」
「は、はい!」
3人は急いで部屋を後にした。
* * *
総隊長室に着くと、他の隊員は既に整列していた。3人もその端に並ぶ。
「全員揃ったな」
千秋の声を聞き、全員が姿勢を正した。
「昨日、敵の本拠地が分かった。朝丘病院という廃病院だ。敵はどうやら、そこで人間から高次元生物を生み出しているらしい」
「人間から……!?」
海奈は驚き声を上げた。他の隊員も、この事実を初めて知った者は驚きを隠せない様子だった。
「その通り。朝丘病院には高次元生物にするために拉致された人が大勢いると考えられる……君達にはその人達の救助と、敵の計画の阻止を命ずる」
「敵の計画って、何かしら……」
花琳が首を傾げた。千秋はそれを見て、更に続けた。
「彼らの目的は、高次元生物の力は人間のアビリティであることを知らしめ、恐怖を与えること。そして……恐怖によって、この世界を支配することだ」
「それを止めるってことは……つまり、敵の陣地に乗り込んで全員倒せばいいんだな!」
海奈の提案に千秋は頷いた。その脇で、深也が恐る恐る手を挙げる。
「あの……でも、ぼ、僕達だけじゃ任務遂行難しくないですか?人命救助をして敵を倒すって、難易度高すぎ……」
深也は、自信なさげにそう発言した。その言葉に他の隊員も頷く。
「……君達の思う通りだ。だから今回は警察アビリティ課とも連携して行動してもらう」
「アビリティ課と共同任務、ですか。……それだけ今回は重要な任務なんですね」
白雪の言葉に、千秋は頷く。
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