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「先手を打たれたか……」
千秋は悔しそうに画面を睨み付けた。
「この動画が広まれば、みんながパニックに陥ってしまう……悠長なことを言っている場合じゃありません。総隊長!」
白雪の言葉に、千秋は頷いた。
「ああ。真崎、アビリティ課と連絡を取ってくれ。作戦を前倒しにする」
「は、はい!」
真崎が部屋を出ようと駆けだした瞬間、部屋に入ってきた琴森とぶつかった。
「わっ!?」
「真崎さん、ごめんなさい!急いでて……」
「琴森、どうした?」
「西日本支部、北日本支部、南日本支部から応援要請です!」
「え!?でも今それどころじゃ……どうしますか、総隊長!?」
「くっ……、隊員の安全が優先だ。白雪と花琳は西日本支部に。翔太、海奈、深也は北日本支部に。聖夜と柊は南日本支部に向かってくれ」
「了解!」
隊員達が続々と総隊長室を後にする中、旭は所在なさげに佇んでいた。
(私……これでいいのかな?)
『旭は仲間だからな』
旭の頭に、今朝の聖夜の言葉がよぎる。
(私も何か、聖夜の……皆の力になりたい!)
そう思い、旭はすぐに千秋の元に駆け寄った。
「千秋さん!私に何かできることはないですか?」
旭に強い眼差しで見つめられ……千秋は、頷いた。
「琴森。旭をオペレーター室に連れて行ってくれ。彼女のアビリティは『未来予知』だ。きっと力になってくれる」
「分かりました。旭さん、こっちへ!」
「はい!」
旭は琴森に続いて総隊長室を後にした。
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