31 西日本支部

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* * *   「『木の葉』!」 「『氷結』」  花琳の繰り出した木の葉が蜘蛛の糸を切る。そして怯んだところを白雪が凍らせてとどめを刺す。2人の奮闘の甲斐あって、市街地の蜘蛛は着々と減りつつあった。 「……うん。良い連携だ。流石だね、花琳」 「えっ!?」  唐突に褒められ、花琳は顔を赤くした。 「そ、そんな……白雪君のお陰よ!」 「そっか。ありがとう」  白雪は傍らの花琳に明るい笑顔を見せた。 (白雪君……よく笑うようになったわね。それも、心からの笑顔で)  暴走を止められて以来、白雪の雰囲気が確かに明るくなった。常に柔和な笑みを貼り付けていた白雪が素直に感情を表現するようになったことを、花琳は安心していた。 (なんだか、初めて会った時の白雪君みたい……って、白雪君は覚えてないんだっけ……)  余計なことを思い出してしまい、花琳は思わず溜息をついた。 「花琳、大丈夫……?」 「だ、大丈夫よ!それより……全然合流できないわね」 「確かに……この先は遊園地だ」  白雪の視線の先には遊園地の大きな入場門があった。この異常事態により閉園しているため、人影は見当たらない。 『2人とも、聞こえてるか?』 「岩倉さん……はい。聞こえてます」 『巨大な高次元生物の反応がある……今すぐ遊園地に向かってくれ。うちの隊員もそこにいる』 「巨大高次元生物……分かりました」 「行きましょう!」  2人は遊園地の入り口にある門をくぐった。
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