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「花琳って、遠くから来たの?」
「うん。お父さんと海奈と遊びに来たんだけど……高次元生物に襲われて、海奈が……」
花琳の目に再び涙が浮かぶ。それを見た白雪は花琳の手を握った。
「大丈夫だよ。きっと大丈夫……。特部が守ってくれたから怪我も大したことないし、きっとすぐ目を覚ますよ」
「……うん」
花琳は泣きそうになるのを堪えながら頷いた。
「……白雪君」
「何?」
「白雪君は、特部の人なの?」
「ううん……姉さんが特部なんだ。僕は体が弱いから……でも、いつか特部に入りたいと思ってる」
「高次元生物と戦うために?」
花琳の問いかけに、白雪はにこりと笑って頷いた。
「姉さんみたいに、皆を守れるようになりたいんだ!」
「……素敵だね」
「そうかな?」
「うん。白雪君ならきっとなれるわ」
「花琳……ありがと!」
白雪は明るい笑顔を見せた。つられて花琳も笑顔になる。
その時、医務室のドアが開いて、マントを着けた撫子色の長い髪の少女が入ってきた。
「白雪!ここにいたんだ」
「あ!姉さん!」
白雪は春花に駆け寄った。
「これ、姉さんに持ってきたんだ!メイドさんが焼いてくれたんだよ。みんなで食べよう!」
「あ、クッキーだ!千秋達も呼ぼうかな……。ねえ、あなたも来る?」
春花の言葉に、花琳は慌てて首を振った。
「海奈の傍にいたいから……」
「そっか。早く治るといいね!」
春花はそう言って花琳に微笑みかけた。
「それじゃ白雪、行こっか」
「うん!花琳、じゃあね!」
「う、うん!」
白雪は花琳に大きく手を振って医務室を後にした。
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