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* * *
聖夜と優一は蝶の光を頼りに、高次元生物の元へ駆けつけた。
青白い肌に複数の口を持ったその怪物は、その口々から霧を噴射している。蝶が纏わり付いてもお構いなしだった。
「聖夜君、我々が当たりだったようですよ」
「ああ……そうだな」
「どう攻めましょう?」
「俺が敵を崩す。優一はそこでトドメを刺してくれ。……どうかな?」
「良いと思います。分かりました」
優一が手に拳銃を構える。その傍らで聖夜は高次元生物を睨み付けた。
「まずは俺からだ!『加速』!」
聖夜は加速して勢いよく高次元生物に迫った。
「はぁっ!」
加速した勢いのまま高次元生物に殴りかかる。が、高次元生物はそれをいち早く察知し、滑らかな動きで攻撃を躱した。
「何!?」
聖夜が体勢を立て直すと同時に高次元生物は深い霧を吐いた。辺りが先程よりも深い霧に覆われる。蝶の光が届かないほど、視界が悪くなる。
「聖夜君!どこにいますか!?」
優一が叫ぶ。しかし、聖夜は優一を目視できない。
(はぐれた……まずい)
聖夜は辺りを見渡すが、何も見えない。
その時。
『聖夜、右に避けて!』
旭の声が聞こえた。
「右……!?」
聖夜は咄嗟に右に移動する。すると体の左側から青白い腕が殴りかかってくる所だった。
「危なかった……旭、助かったよ!」
『『未来予知』で視たの……聖夜、私が敵の動きを予知するから、私のこと信じて……』
「分かった。旭に合わせる!」
聖夜は頷いて、いつでも動けるように構えた。深い霧の中、旭の声に耳を澄ませる。
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