33 南日本支部

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 すると、少年はニヤリと笑って弓矢を放り投げた。そしてポケットからメモ帳とペンを取り出すと、サラサラと何かを描き始めた。 「そう。僕は君達の敵だ」  その時、突然メモ帳が輝き出し、光る球体が飛び出してきた。球体は空高く浮かび上がり、やがて形を形成する。そしてできたのは……戦闘機。 「僕達の時代はね、こんなのが普通に飛び交ってる世界だった。……君達のせいでね」  ウォンリィは聖夜達を鋭く睨み付けた。 「だから変える。そのために、ここで特部を潰して、僕達が過去を支配する!」  ウォンリィがそう言い放った瞬間、戦闘機が射撃を始めた。弾丸の雨が降り注ぐ。 「いけない!『大盾』!」  優一が咄嗟に巨大な盾を出し、なんとか被弾を免れた。しかし、戦闘機の攻撃は止まない。 「ははは!いつまで隠れてるつもりだい?」 「くっ……」  聖夜達はどうすることもできず、優一の影に隠れてひたすら攻撃を耐え忍ぶ。 「……いつまでもこのままじゃ駄目だ。なんとかしないと……」 「なんとかって……どうやるんですか?」 「それは……」 『聖夜、大丈夫だよ』  聖夜が言葉に詰まっていると、通信機から旭の声が聞こえた。 「大丈夫って……何か作戦があるのか?」 『一か八かだけど……私が何とかするから。だから……』 「……分かった。俺達は何をすればいい?」 『少しの間だけでいいから、敵の動きを止めてほしい』 「敵の動きを止める……」  聖夜は柊に目線を送った。顔色こそ悪かったが、柊は聖夜の意図を汲んで頷く。 「……戦闘機の動きは、私が止める」 「なら俺は、あいつをどうにかする!」  聖夜はウォンリィを真っ直ぐに見据えた。柊はそれを見て、目を閉じて集中し始めた。 「いくよ聖夜。3、2、1……『停止』!」
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