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蹴られた勢いでメモ帳が宙を舞う。それを旭は見逃さなかった。
「これで……!」
旭は刀を力いっぱい振り、メモ帳を真っ二つに斬った。すると、剣士や弓矢、戦闘機と刀……ウォンリィが描いて生み出した全ての物が塵となって消え去った。
「そんな……僕のアビリティが……」
ウォンリィはその場に崩れ落ちた。聖夜はウォンリィに合わせてその場にしゃがむと、その目を真っ直ぐに見つめた。
「俺達の勝ちだ。教えてくれ。お前達が、何でこの時代を支配しようとするのか」
「……君達に教える義理はないよ。君達は、黙って僕達に支配されればいいんだ!」
ウォンリィはそう言うと、隠し持っていた拳銃を聖夜に向ける。
「なっ……」
「僕達は特部を潰す……僕達の未来のために!」
ウォンリィは拳銃を発砲した。その瞬間、地面から黒い闇でできた壁が現れ、銃弾を遮った。
「このアビリティ……まさか!」
「久しぶりだね。聖夜」
ウォンリィの背後から、ノエルがゆったりと姿を現した。
「リーダー……何で止めたのですか!?」
「ウォンリィ、往生際が悪いのは、君のいけない癖だね」
「う……」
ノエルが冷たく微笑むと、ウォンリィはたちまち青ざめた。それを意に介さず、ノエルは聖夜に歩み寄る。
「聖夜、久しぶりに見たけど……全然変わってないね」
「ノエル……やっぱりノエルは、俺達の敵なのか?」
聖夜の質問にノエルはくすりと笑った。
「敵か……君達が僕達に刃向かうならね」
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