34 作戦開始

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 真崎のアナウンスが聞こえてきて、柊は静かに立ち上がった。 「柊さん……!」 「清野さん……ごめんなさい。でも私、皆を守るために戦いたいんです。最後まで……誰かのために頑張りたい。それが私にできる唯一のことだから!」  柊の真っ直ぐな瞳に射貫かれ、清野はしばらく固まっていた……が、すぐに引き出しから錠剤を一錠取り出すと、柊に手渡した。 「……HASの薬だよ。今は弱い物しかストックがないから気休めにしかならないけど、無いよりはマシだ。」 「……いいんですか?」 「ああ。止めても無駄みたいだからね」  清野はそう言って、諦めを覗かせた笑顔を柊に向けた。 「……ありがとうございます!」  柊は清野から薬を受け取ると、駆け足で医務室から出て行った。部屋に取り残された清野は、ふと窓の外を見る。外はもうすっかり日が沈み、星空が広がっていた。 「……特部の隊員って、どうしてこんなに無茶するんだろうね」  清野の脳裏に、大怪我や病気で特部を去らざるを得なかった隊員達の顔が蘇る。 「私にできる唯一のことか。そんなことないのに」  先程の柊の言葉を思い出し、清野は少し苦笑いを浮かべた。 「……私も、私にできることをやりますか」  清野はそう呟いて、病院へ電話をかけた。
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