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35 朝丘病院
* * *
聖夜達が朝丘病院に着くと、アビリティ課の隊員達が大勢待機していた。その中に司の姿を見つけ、聖夜は慌てて駆け寄った。
「司!」
「あ、聖夜!久しぶり」
「久しぶり!司も来てるってことは、訓練生も参加するのか?」
「うん。救出の手伝いだよ。何人の人が捕まってるか分からないからって……」
「そっか……あんまり無茶するなよ」
聖夜は心配そうな顔を向けたが、司は力強い笑顔を向けた。
「大丈夫だよ。これでも訓練してるから!」
その笑顔を見て、聖夜は少し安心して頬を緩める。すると、突然何者かが聖夜の背中が叩いた。
「うわっ!誰だ?」
聖夜が振り返ると、柊がニッと笑って立っていた。
「私だよ!司君、久しぶり」
「柊!久しぶり!」
「アビリティ課、向こうで集合してたけど大丈夫?」
「え!?」
司が慌てて振り返ると、確かにアビリティ課隊員が集合して、隊長の話を聞いていた。その集まりの中には旭の姿もあり、建物の説明をしているようだった。
「ほんとだ!僕もいかないと……じゃあね!」
司はそう言うと、大急ぎで他の隊員達の元へ向かった。
「……柊、体調は大丈夫なのか?」
聖夜は不安そうに尋ねる。すると、柊は笑顔で頷いてみせた。
「大丈夫。薬貰ったし、戦えるよ」
「そっか……でも、本当に無理しちゃ駄目だからな!」
「うん。分かってるよ」
柊は笑顔で答えたが、聖夜の目には無理をしているように映った。
(柊……本当に、大丈夫なのか?)
聖夜が心配そうに柊を見つめていると、アビリティ課へ建物の説明を終えた旭が駆け寄ってきた。
「聖夜、柊!」
「旭!どうかしたのか?」
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