35 朝丘病院

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「2人に約束しなきゃいけないことがあって……」 「約束?」  聖夜と柊が首を傾げる中、旭は小さく頷く。 「2人を、宵月博士に……お父さんに、会わせるって約束する」  旭の言葉に、聖夜と柊は顔を見合わせた。 「俺達を、父さんに……」 「そうだ。お父さん、この中に捕まってるんだ……」  聖夜は建物を見た。廃病院にも関わらず、不気味にも灯りがついている病室の中。あの中のどれかに、自分達の父親が捕まっている。その事実に、聖夜は身を引き締めた。 「……分かった。旭、俺達を父さんの所へ連れて行ってくれ」 「よろしくね、旭」 「う、うん!私、全然戦えないけど……頑張る」  緊張しながら頷く旭を見て、聖夜は安心させようと微笑んだ。 「大丈夫。俺が旭のことを守るから」 「え……ありがとう」  聖夜の優しい言葉に、旭はふわりと微笑んだ。それを見た柊も、つられて微笑む。  その時、通信機から千秋の声が聞こえてきた。 『こちら特部総隊長、志野だ。間もなく作戦を開始する。特部隊員は旭と共に先行して建物の中へ。敵を見つけ次第倒して本部へ連行してくれ。何かあったら、すぐに連絡するように』 「了解!」 「……みんな、私についてきて」  旭の言葉に特部隊員は頷き、正面から病院内へ入っていった。
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