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「2人に約束しなきゃいけないことがあって……」
「約束?」
聖夜と柊が首を傾げる中、旭は小さく頷く。
「2人を、宵月博士に……お父さんに、会わせるって約束する」
旭の言葉に、聖夜と柊は顔を見合わせた。
「俺達を、父さんに……」
「そうだ。お父さん、この中に捕まってるんだ……」
聖夜は建物を見た。廃病院にも関わらず、不気味にも灯りがついている病室の中。あの中のどれかに、自分達の父親が捕まっている。その事実に、聖夜は身を引き締めた。
「……分かった。旭、俺達を父さんの所へ連れて行ってくれ」
「よろしくね、旭」
「う、うん!私、全然戦えないけど……頑張る」
緊張しながら頷く旭を見て、聖夜は安心させようと微笑んだ。
「大丈夫。俺が旭のことを守るから」
「え……ありがとう」
聖夜の優しい言葉に、旭はふわりと微笑んだ。それを見た柊も、つられて微笑む。
その時、通信機から千秋の声が聞こえてきた。
『こちら特部総隊長、志野だ。間もなく作戦を開始する。特部隊員は旭と共に先行して建物の中へ。敵を見つけ次第倒して本部へ連行してくれ。何かあったら、すぐに連絡するように』
「了解!」
「……みんな、私についてきて」
旭の言葉に特部隊員は頷き、正面から病院内へ入っていった。
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