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「やらなきゃいけないこと……?父さん、それって何?」
聖夜が尋ねると、明日人はポケットから小さな端末を取り出した。
「……この施設を、爆破する」
「爆破!?」
「ど、どうして……?」
突飛な発言に3人は戸惑いの表情を浮かべたが、明日人は真剣な様子で答えた。
「高次元生物を生み出すこの施設を破壊すれば、これ以上高次元生物は生まれなくなり……ノエル達の計画も崩れる」
「それは……確かに……」
「でも、爆弾なんてどうやって仕掛けるの?」
柊が首を傾げると、明日人は得意気に微笑んだ。
「この施設の設備を整える際に取り付けたんだ。後はこの端末で遠隔操作するだけだ」
「さ、流石です博士……」
旭が明日人に賞賛の眼差しを向ける。
「ありがとう。だが、その前に……タイムマシンを奪還しなくてはいけない」
「タイムマシンが、ここにあるのか?」
「ああ。病院の地下駐車場……そこにある」
「じゃあ、それを取りに行って、皆に退避命令を出してもらえばいいんだな!」
聖夜がそう言うと、明日人は頷いた。
「……だそうです。総隊長、聞こえてましたか?」
柊が通信機に呼びかけると、司令室と繋がる音がして、千秋の声が聞こえた。
『ああ、すぐに退避命令を出そう。それから……明日人さん、話したいことが沢山あります。無事に帰ってきて下さい』
「千秋……」
『夏実と眞冬と……待ってますから』
それだけ言うと、千秋は通信を切った。
「……父さん、行こう」
「ああ……そうだな。こっちだ」
聖夜達は明日人の後を追って、病室を飛び出した。
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