35 朝丘病院

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「やらなきゃいけないこと……?父さん、それって何?」  聖夜が尋ねると、明日人はポケットから小さな端末を取り出した。 「……この施設を、爆破する」 「爆破!?」 「ど、どうして……?」  突飛な発言に3人は戸惑いの表情を浮かべたが、明日人は真剣な様子で答えた。 「高次元生物を生み出すこの施設を破壊すれば、これ以上高次元生物は生まれなくなり……ノエル達の計画も崩れる」 「それは……確かに……」 「でも、爆弾なんてどうやって仕掛けるの?」  柊が首を傾げると、明日人は得意気に微笑んだ。 「この施設の設備を整える際に取り付けたんだ。後はこの端末で遠隔操作するだけだ」 「さ、流石です博士……」  旭が明日人に賞賛の眼差しを向ける。 「ありがとう。だが、その前に……タイムマシンを奪還しなくてはいけない」 「タイムマシンが、ここにあるのか?」 「ああ。病院の地下駐車場……そこにある」 「じゃあ、それを取りに行って、皆に退避命令を出してもらえばいいんだな!」  聖夜がそう言うと、明日人は頷いた。 「……だそうです。総隊長、聞こえてましたか?」  柊が通信機に呼びかけると、司令室と繋がる音がして、千秋の声が聞こえた。 『ああ、すぐに退避命令を出そう。それから……明日人さん、話したいことが沢山あります。無事に帰ってきて下さい』 「千秋……」 『夏実と眞冬と……待ってますから』  それだけ言うと、千秋は通信を切った。 「……父さん、行こう」 「ああ……そうだな。こっちだ」  聖夜達は明日人の後を追って、病室を飛び出した。
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