35 朝丘病院

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 4人は廊下を走り、階段を駆け下りる。1階を降り、手術室の前に差し掛かった時だった。 「やめてくれ!助けて!」  手術室の中から、大きな声が漏れ聞こえてきた。 「まだ人が居るのか!?……柊!」 「うん……助けよう!」  2人は手術室の扉を開けた。すると、白い兵士手術台に押さえつけられ、薬品を注射されている男性が目に入った。  注射をされた男性の体が、みるみるうちに醜く変形していく。肌の色が黄色く変わり、服が破け、体が大きくなっていく。その異様な光景に、聖夜と柊は言葉を失った。 「う……嘘だろ……」 「ほんとに……人間が高次元生物に……」  やがて高次元生物が起き上がり、聖夜達に雷を放った。 「聖夜、柊!」  旭が立ち尽くしている2人の腕を引き、雷を避けさせた。 「旭……」 「2人とも、しっかり!今はタイムマシンを取り戻して、逃げよう!」 「……うん。そうだな」 「旭、ありがとう」  2人は頷き、旭と共に先を走る明日人を追った。走り続け、遂に地下駐車場に辿り着く。  そこには、1両の電車の形をしたタイムマシンが駐まっていた。 「あれが……タイムマシン!」 「ああ、そうだ。あれを動かすぞ!」  聖夜達はタイムマシンに向かって走り出した。しかし、その時。  パァン!  銃を発砲する音が聞こえて、聖夜達は立ち止まった。 「動かないでもらおうか」  振り返ると、ノエルが狼と兵士を引き連れて仁王立ちしていた。兵士は銃を構え、発砲する姿勢を取っている。 「ノエル……!」
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