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4人は廊下を走り、階段を駆け下りる。1階を降り、手術室の前に差し掛かった時だった。
「やめてくれ!助けて!」
手術室の中から、大きな声が漏れ聞こえてきた。
「まだ人が居るのか!?……柊!」
「うん……助けよう!」
2人は手術室の扉を開けた。すると、白い兵士手術台に押さえつけられ、薬品を注射されている男性が目に入った。
注射をされた男性の体が、みるみるうちに醜く変形していく。肌の色が黄色く変わり、服が破け、体が大きくなっていく。その異様な光景に、聖夜と柊は言葉を失った。
「う……嘘だろ……」
「ほんとに……人間が高次元生物に……」
やがて高次元生物が起き上がり、聖夜達に雷を放った。
「聖夜、柊!」
旭が立ち尽くしている2人の腕を引き、雷を避けさせた。
「旭……」
「2人とも、しっかり!今はタイムマシンを取り戻して、逃げよう!」
「……うん。そうだな」
「旭、ありがとう」
2人は頷き、旭と共に先を走る明日人を追った。走り続け、遂に地下駐車場に辿り着く。
そこには、1両の電車の形をしたタイムマシンが駐まっていた。
「あれが……タイムマシン!」
「ああ、そうだ。あれを動かすぞ!」
聖夜達はタイムマシンに向かって走り出した。しかし、その時。
パァン!
銃を発砲する音が聞こえて、聖夜達は立ち止まった。
「動かないでもらおうか」
振り返ると、ノエルが狼と兵士を引き連れて仁王立ちしていた。兵士は銃を構え、発砲する姿勢を取っている。
「ノエル……!」
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