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寝室に向かうと、柊が起きて窓の外を眺めていた。
「柊?寝てなかったのか?」
「……うん。なんか目が覚めちゃって」
柊は苦笑いすると、聖夜に手招きした。
「流れ星を見てたの。聖夜も来て」
「流れ星?」
聖夜は柊の隣に座って、窓の外を見た。すると、満天の星空を流れ星がいくつも流れていた。
「天ヶ原町名物、初夏の流れ星だっけ。昔、夏実姉さんとよく見たよね」
「ああ……懐かしいな」
「聖夜、願い事を3回唱えられなくて泣いてたよね?」
「うっ……そんなことまで覚えてたのか……」
苦笑いする聖夜を、柊は茶化すように笑った。
「……ねぇ。今、何か願うとしたら、聖夜は何をお願いする?」
「願い事か……悩むな……」
聖夜の頭に様々な願い事が浮かぶ。
「未来を変えられますように……今を守れますように……って、どれも俺が頑張ることか」
「ふふ、確かにね」
聖夜と柊は顔を見合わせて笑った。
「……柊は、何をお願いするんだ?」
「私?うーん……そうだな……」
柊は少し悩んだ後、聖夜の顔を見て微笑んだ。
「……聖夜が前に進めますように」
「え……?」
「泣き声、ここまで聞こえてたよ?」
「あ、さっきの……聞こえてたのか」
聖夜は恥ずかしそうに目を逸らす。それを見た柊が優しく頷いた。
「うん。旭のことが大事だったんだよね……辛かったんだよね」
「柊……?」
「……私ね、旭に聖夜が取られて、一人ぼっちになっちゃうんじゃないかって思ってたの」
「え……」
「酷いでしょ?でもね、それだけ2人は仲良さそうに見えたの。だから……私、1人で焦ってたんだ。」
柊の告白に、聖夜は目を丸くした。
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