37 過去

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「柊……」 「……でもね、2人がそういうことする訳ないって気付いて、2人のことを応援しようと思ってたの……だから、私も辛いよ」  柊はそう言って、聖夜に少し寄りかかった。 「悲しいの、聖夜だけじゃないから……だから、一緒に乗り越えよう?私、何があっても聖夜の傍にいる……そう旭と約束したから」 「……ありがとう、柊」  聖夜はそう言って微笑む。 「悲しい気持ちは消えないけど……俺、前向けるように頑張る。前を向いて、今を変えて……旭が言ってたように、世界を救うヒーローになってみせる」 「聖夜……私も、それを支えるから!」  柊は体を起こし、聖夜にニッと笑いかけた。 「……あ、願い事思いついた!」  聖夜はハッとして柊を見た。 「柊の体調が治りますように!ずっと具合悪かったよな?」 「聖夜……」 「何か原因とか分からないのか?清野さんに何か言われなかった?」  聖夜の言葉に、柊は少し俯いて口を開いた。 「……急性高能力症候群。HASの疑いがあるって」 「え……?」 「本当は、もう戦わない方がいいんだって」 「そんな……何で黙ってたんだよ!」 「言ったら心配するでしょ?大事な時に、余計な心配かけたくなかったの……」
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