38 帰還

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「聖夜、お前は柊の兄貴だろ?お前が信じてやらなくてどうするんだ!」  翔太の言葉に、聖夜は目を見開く。 「翔太……」  驚いた表情の聖夜に対し、翔太は真剣な顔で言葉を続けた。 「お前は……1人じゃない。俺達も、柊のことを信じてる。だから……1人で勝手に諦めるな」  1人じゃない……翔太の言葉が胸に刺さり、聖夜の目から涙が零れ落ちる。 「……そう、だな。……ごめん、翔太」  聖夜は涙を拭い、ニッと笑顔を見せた。 「俺、迷ってばっかりだ。前を向くって決めたのに……また、後ろ向きになってた」  聖夜はそう言うと、真剣な顔になり仲間達を見つめる。 「俺、この世界の人達を守りたい。でも、ノエル達の未来も守りたい。だから……どっちも諦めない。今を変えて、両方守る。みんな、力を貸してくれないか?」  聖夜の言葉に、全員が頷き微笑んだ。すると、医務室の扉が再び開き、千秋と琴森、そして真崎に車椅子を押された明日人が入ってきた。 「話は纏まったようだな」 「総隊長!琴森さん、真崎さん!父さんも!」 「私達も最後までサポートするわ」 「皆さんの力になれるように頑張りますからね!」 「聖夜……その思い、貫きなさい」  聖夜は、そう言って微笑む3人に笑いかけた後、真剣な眼差しを千秋に向けた。
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