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40 最終決戦
* * *
『町には無数の狼がいるわ。その根源……アビリティ発動者を叩くのが先決よ!』
『天ヶ原中学校上空にアビリティ反応確認!あの黒い城が本拠地だと思われます!』
「了解!」
聖夜達は琴森と真崎の声に頷き、天ヶ原中学校を目指す。しかし、狼達がそれを阻むように聖夜達へ襲いかかる。
「『かまいたち』!」
翔太が放つ風の刃が、狼達を切り裂いた。切り裂かれた狼達は砂のようにサラサラと消滅していく。
「……きりが無い」
白雪が珍しく苦い顔をして呟いた。そうしている間にも、狼が間髪入れず飛びついてくる。
「くっ……『氷結』!」
白雪が指を鳴らすと、狼が一瞬で氷付けになった。再び指を鳴らし、氷ごと狼をバラバラに砕く。
「……みんな、足を止めちゃ駄目だ。進みながら、攻撃してくる敵だけ対処するんだ!」
「分かりました!」
白雪の指示に全員が頷き、足を止めずに走る。
(早くノエルを止めないと……)
聖夜は、焦る気持ちをなんとか落ち着けようとしながら走っていた。商店街を抜け、住宅地へ差し掛かったその時。
「助けて!!」
助けを呼ぶ少女の声が耳に入り、聖夜は思わず立ち止まった。
「どこだ……!?」
「怖いよ!助けて!!」
「路地裏か……!ごめん、ちょっと行ってくる!」
「聖夜!?」
聖夜は仲間と別れて、路地裏へ駆け出した。すると、怯える少女と、狼から少女を庇うように立ち塞がる少年がいた。
「今助ける!『加速』!」
聖夜は2人を抱えて狼から逃れると、表通りに出て2人を立たせた。
「大丈夫か?怪我とかしてないか?」
聖夜が尋ねると、少女が泣きながら頷いた。
「私は平気……でも、ゆー君が……」
少女の言葉を聞いて、聖夜は少年の方を見た。すると、腕に噛まれた痕があり、血が出ていることが分かる。
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