40 最終決戦

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 イグニ達の後ろから現れたのは……特部総隊長、志野千秋だった。 「お前は……!?」 「私は志野千秋。特部の総隊長をしている……仲間に手出しをするのは止めてもらおう」 「総隊長!」 「みんな、行け!こいつらの相手は私がする」  千秋は、驚きのあまり目を見開く隊員達に振り返り、力強く言い放った。 「でも……」 「早くしろ!ノエルを止めるのは、お前達にしかできない!!」 「……了解!」  千秋の言葉に、聖夜達はしっかりと頷き、駆け出した。 「……あなた正気?1人でエリス達に敵うと思ってるの?」  エリスは千秋を睨み付ける。しかし、千秋は動じない。 「……仲間を守るヒーロー気取り?うざ。エリス、身の程知らずな人嫌いなんだけど」  エリスが吐き捨てるように言う、すると、千秋は不敵な笑顔を見せた。 「……身の程知らず?笑わせてくれるじゃないか」 「何がおかしいの?」 「……私は総隊長。ならば!仲間を守るのが私の務めだ!!」  千秋がそう言い放つと、イグニは豪快に笑った。 「はははっ!面白ぇ、ならやってみせろよ!俺達を倒して、仲間を守って見せろ!『獄炎』!」  イグニが勢いよく青い炎を放つ。千秋は後退してそれを躱した。しかし、その背後に既にエリスが迫っていた。 「隙だらけなんだけど!」  エリスは両手に持ったナイフで千秋を攻撃しようとする。 「っ……!」  千秋は苦しい姿勢で、その攻撃を躱し続ける。しかし、エリスの攻撃は止まない。 「あはは!やっぱり身の程知らずじゃない!」  エリスが右手のナイフを振りかざしたその時だった。 「夏実、突っ込め!」 「分かってる!『抜刀』!」  千秋とエリスの間に1人の女性が割り込み、刀で右手からナイフを弾き飛ばした。  その声の主を、千秋はよく知っている。
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