67人が本棚に入れています
本棚に追加
「夏実……眞冬……」
夏実と眞冬は、千秋を守るようにエリス達の前に立ち塞がる。
「どうして……ここに……」
千秋が聞くと、2人は振り返って微笑んだ。
「助けに来たよ」
「ったく……1人で格好つけんなよ!」
千秋の中で、その微笑みが昔の2人と重なる。同じ方向を向いて、笑い合っていた頃の2人に。
「一緒に、戦ってくれるのか……?」
千秋が震える声で尋ねる声で尋ねると、2人はしっかりと頷いた。
「怖いけど……友達を亡くすよりマシだから!」
「特部最強部隊、再集結だぜ!いくぞ千秋!」
「……うん!」
千秋は2人と並び、ニッと笑った。
「僕達の力、見せてやろう!」
「……何人来ようが同じことよ!『毒針』!」
アリーシャが毒針を放つ。無数の毒針が、3人に向かって飛んできた。
「夏実!斬れる範囲だ!振れ!」
「うん!『一閃』!」
眞冬の指示で、夏実が刀を振るう。すると、針が1本残らず斬り捨てられた。
「なっ……!」
「まだだ!『獄炎』!!」
言葉を失っているアリーシャの傍らで、イグニが炎を放つ。炎が、最前線にいる夏実に迫る。
「夏実、下がれ!僕がやる!」
「分かった!」
千秋の言葉で、夏実は後方に下がる。がら空きになった千秋の前方で青い炎が牙を剥く。千秋は掌を前に向け、力を溜めた。
「……『火炎』っ!!」
溜めた力を一気に炎に変えて放出する。赤い炎が青い炎とぶつかり、派手に爆発した。強い爆風に、千秋は思わず目を閉じる。
「っ……」
それをウォンリィは見逃さなかった。ウォンリィは銃口を千秋に向けて構える。
最初のコメントを投稿しよう!