40 最終決戦

8/19
前へ
/232ページ
次へ
 千秋は毒に蝕まれる体に鞭を打って立ち上がった。それに、夏実と眞冬も続く。それを見たアリーシャが顔を歪める。 「どこにそんな力が……!?」 「……春花が見てる。だから、僕達だって負けられないんだ……!」 「チッ……私達だって、私達の未来のために……」 「フン!……そんなブレブレな思いで……俺達に勝てる訳ねぇんだよ……!」  眞冬がそう言い放つと、アリーシャ達は目に見えて動揺した。 「……何言ってるのよ。私達は迷ってなんか」   「いーや……俺には『読めてる』……お前達の心の中は、リーダーの奴のことでいっぱいだってな!」 「っ……!」  図星を突かれて、アリーシャが黙り込む。 「この作戦を続けたら、早かれ遅かれ……そいつはアビリティの使いすぎで倒れちまう。そうなんだろ?」 「……それは」 「分かってんなら何で止めねぇんだよ!!」 「え……」  眞冬の剣幕に、未来人が怯む。 「仲間なら……そいつを大切に思うなら!無理矢理にでも止めろ!!」 「……でも」  反論しようとするアリーシャに、千秋が畳み掛ける。 「……失ってからでは遅いんだぞ!仲間は、君達にとっても大切な存在だろう?」
/232ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加