40 最終決戦

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* * *  聖夜達は天ヶ原中学校に辿り着いた。聖夜は玄関を開けようとしたが鍵がかかっており中に入れない。 「入れない!白雪さん、どうしましょう?」 「なら、僕のアビリティで道を作る!『氷結』!」  白雪が指を鳴らすと、地面から氷の階段が生まれた。階段は屋上まで続いており、登っていくことで闇の城にも入れそうだった。 「みんな、行くよ」 「はい!」  聖夜達は氷の階段を上り、屋上に到達した。そこから更に黒く細長い階段が続いており、空高い場所に城が浮いている。 「この先にノエルが……」  聖夜達が闇の階段を上ろうとした時だった。  屋上の地面から、狼の群れが生まれ、聖夜達を取り囲んだのだ。 「チッ……『かまいたち』!」 「『氷柱』!」  翔太と白雪のアビリティが、狼を倒していく。しかし、狼は次々と生まれ、聖夜達に飛びかかってくる。 「ここまで来たのに……!」  深也は銃で狼を撃ちながら悔しそうに呟いた。 「『激流』!……白雪さん!このままじゃキリがないぜ!」  海奈も水流で狼を退けながら白雪に訴える。 「ああ。なんとかしてここを切り抜けないと……」  白雪は氷柱を放ちながら聖夜を見た。 「……聖夜君!『加速』でここを抜け出して、術者を叩くんだ!」 「俺がですか……!?」  戸惑う聖夜に、白雪は頷く。 「ここを突破できるのは俊敏な君だけだ……!ここは僕達が食い止める!だから行ってくれ!」  白雪の真剣な表情を見て……聖夜は覚悟を決めて頷いた。 「……分かりました!『加速』!」  聖夜は階段に向かって走り出した。しかし、それを狼が襲う。スピードを出すのに集中していた聖夜には対処ができない。
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