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「人数が増えたところで、僕は絶対に止まらない!!最悪な未来を変えるために……!!」
ノエルが叫ぶと、床から黒い触手が出てきて、聖夜達を締め付けた。
「うっ……」
聖夜は触手から逃れようと藻掻くが、藻掻けば藻掻くほど締め付けられ、どんどん身動きがとれなくなっていく。
「君達はここで終わりだ!!」
ノエルは無数の黒い刃を生み出し、聖夜達に放った。
刃が、聖夜達に迫る。
(嫌だ……!ここで……死ぬ訳には行かないのに……!!)
聖夜がそう思った、その時。
「『遅延』!!」
刃が緩やかに遅くなり、聖夜達の手前で床に落ちた。
「その声は……柊!?」
「聖夜、みんな、遅れてごめん!!」
柊は聖夜達を庇うように立ち塞がる。
「……ノエル、もう止めて!!」
「そう言われて止めるとでも思っているのかい?」
ノエルの言葉に、柊はしっかりと頷いた。
「ウォンリィ達から聞いたの。このままじゃ、あなたの命が危ないって」
「ウォンリィ達が……?」
ノエルの顔色が変わる。柊はその動揺を察して、訴えるように続けた。
「みんな心配してたよ!あなたが大事な仲間だから……!」
柊の言葉に対して、ノエルは酷く動じた。彼は目を見開きながら、柊に向かって叫ぶ。
「そんなことある訳がない!僕達は、同志だ!!君達のような生温い仲間じゃないんだ!目的のためには手段を選ばないと……そう誓い合ったんだよ!!だから、僕の心配なんて……!!」
「……馬鹿」
柊はノエルに歩み寄って、彼の頬を叩いた。
「は……?」
唐突な出来事に、ノエルは目を丸くした。
「何で仲間の想いに気付こうとしないの?何で仲間の想いを受け取ろうとしないの?失ってからじゃ遅いんだよ!?本当は分かってるんでしょ!?」
柊はそう真っ直ぐに訴える。
しかし……ノエルには届かない。
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