40 最終決戦

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「っ……うるさい……!」  ノエルは柊を突き飛ばした。 「僕に……僕に、知ったような口を聞くな!!」  ノエルは黒い剣を生み出し、柊に向けた。 「く……『氷結』……!」  白雪は聖夜達の触手を凍らせ、バラバラに砕いた。聖夜達が解放される。 「二度と喋れなくしてやる……!」 「っ……!」 「柊!『加速』!!」  ノエルが柊に剣を振り下ろす。しかし、聖夜が物凄い速さで柊を庇うように抱き締めた。  剣が聖夜の左腕を斬りつけ、彼の腕から血がボタボタと零れ落ちる。 「うっ……!」 「聖夜!!」  痛みに顔を歪める聖夜を見て、ノエルは嘲るように笑った。 「馬鹿だな!こいつのことなんか、見捨てれば良かったのに!!」 「……そんなこと、絶対にしない……!」  聖夜は左腕を庇いながら立ち上がると、ノエルを睨んだ。 「柊は仲間で、家族で……大事な妹なんだ!絶対に俺が守る!!」 「聖夜……!」  柊も立ち上がり、聖夜を支える。 「大切な人を守りたい気持ち……ノエルにだって分かるでしょ?私達も、ウォンリィ達も……みんな同じ気持ちなんだよ!!」 「っ……うるさい……!!黙れ!!!」  ノエルは聖夜達に斬りかかった。2人はそれをなんとか躱すと、嘗て眞冬に教わった体術の構えをとった。 「……来るならこい!」 「くっ……うわあああ!!!」  ノエルは聖夜に突っ込む。しかし、聖夜はそれを躱し、剣を持つ腕を締める。 「うっ……!」  ノエルの手から剣が落ちる。 「柊!」   「うん!」  柊が剣を拾い、ノエルの首筋に当てた。 「……降参して」 「っ……」  2人はノエルを完璧に押さえ込んだ。……しかし、その時。 「くっ……あはははは!!」  ノエルが高笑いすると、彼の体が闇が纏わり付いた。  次の瞬間、ノエルは物凄い力で聖夜を振り払い、柊の持つ剣を折った。 「なっ……!?」
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