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「あはは……!潰す……僕の未来を壊す人間は、全員潰す……!!」
ノエルはそう言って聖夜を押し倒し、彼に馬乗りになった。
「くっ……」
「まずはお前からだ……!」
「やめろ!!『かまいたち』!!」
翔太の風の刃がノエルに斬りかかる……が、ノエルの纏う闇が、そのエネルギーを吸収してしまう。
「無駄だ……!」
ノエルは笑いながら、聖夜の首を絞める。
「うっ……か……は……」
「やめて!!」
柊が悲痛な叫び声を上げる。
「あはは!!死ね……!!」
その時。
パァン!!
誰かの放った銃弾が、ノエルの右腕に命中した。
「うっ……!?」
ノエルは右腕を庇いながら、入口を睨み付けた。
「誰だ!?」
そこに居たのは、意外な人物だった。
「……もう止めよう!ノエル!!」
銃を構えたウォンリィと、その仲間達が、ノエルを見つめていた。
「ウォンリィ……!何故だ!!何故僕を撃った……!」
「貴方を止めるためだ……!これ以上アビリティを使ったら、貴方の命が危ない!!」
ウォンリィは必死に訴えるが、ノエルには届かない。ノエルは憎しみに顔を歪めながら、ウォンリィ達を怒鳴りつけた。
「うるさい!!黙れ!!僕に刃向かうのなら、お前達も敵だ!!」
ノエルの纏う闇が、増幅する。
「くっ……はぁっ……はあっ……」
それに耐えきれず、ノエルはその場に倒れ込んだ。
「ノエル……!」
傍に居た聖夜と柊が、ノエルに駆け寄る。すると、3人の居る床が、崩れ始めた。
「……!柊!!」
聖夜は柊を突き飛ばした。床が崩れ、底知れぬ闇が、聖夜とノエルを飲み込み始める。
「聖夜!!」
「くっ……ノエル……!」
聖夜は気を失ったノエルの腕をしっかりと掴み、闇の中へ落ちていった。暗い闇の中に吸収され、2人の姿が消える。
「聖夜!!聖夜ー!!」
柊の悲鳴が、城の中に響き渡った。
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