40 最終決戦

16/19
前へ
/232ページ
次へ
「あはは……!潰す……僕の未来を壊す人間は、全員潰す……!!」  ノエルはそう言って聖夜を押し倒し、彼に馬乗りになった。 「くっ……」 「まずはお前からだ……!」 「やめろ!!『かまいたち』!!」  翔太の風の刃がノエルに斬りかかる……が、ノエルの纏う闇が、そのエネルギーを吸収してしまう。 「無駄だ……!」  ノエルは笑いながら、聖夜の首を絞める。 「うっ……か……は……」 「やめて!!」  柊が悲痛な叫び声を上げる。 「あはは!!死ね……!!」  その時。  パァン!!  誰かの放った銃弾が、ノエルの右腕に命中した。 「うっ……!?」  ノエルは右腕を庇いながら、入口を睨み付けた。 「誰だ!?」  そこに居たのは、意外な人物だった。 「……もう止めよう!ノエル!!」  銃を構えたウォンリィと、その仲間達が、ノエルを見つめていた。 「ウォンリィ……!何故だ!!何故僕を撃った……!」 「貴方を止めるためだ……!これ以上アビリティを使ったら、貴方の命が危ない!!」  ウォンリィは必死に訴えるが、ノエルには届かない。ノエルは憎しみに顔を歪めながら、ウォンリィ達を怒鳴りつけた。 「うるさい!!黙れ!!僕に刃向かうのなら、お前達も敵だ!!」  ノエルの纏う闇が、増幅する。 「くっ……はぁっ……はあっ……」  それに耐えきれず、ノエルはその場に倒れ込んだ。 「ノエル……!」  傍に居た聖夜と柊が、ノエルに駆け寄る。すると、3人の居る床が、崩れ始めた。 「……!柊!!」  聖夜は柊を突き飛ばした。床が崩れ、底知れぬ闇が、聖夜とノエルを飲み込み始める。 「聖夜!!」 「くっ……ノエル……!」  聖夜は気を失ったノエルの腕をしっかりと掴み、闇の中へ落ちていった。暗い闇の中に吸収され、2人の姿が消える。 「聖夜!!聖夜ー!!」  柊の悲鳴が、城の中に響き渡った。
/232ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加