40 最終決戦

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* * *  上も下も分からない闇の中を、聖夜はノエルと共に漂っていた。 (ここは……)  聖夜は辺りを見渡す。すると、2人の人影を見つけた。 (誰か……いる?)  聖夜はノエルを引っ張って、その人影の近くに向かった。 (……声が、聞こえる)  聖夜は人影に声を掛けようとして、止めた。2人の背後から、大勢の兵士が駆け寄ってきたからだ。 (何だ……!?) 「ノエル!危ない!!」  2人のうちの1人が、もう1人を庇うように突き飛ばした。  パァン!!  その少女の体が、銃弾によって貫かれる。 「ツムギ……!?ツムギ!!」  少年が、少女の体を抱きかかえる。しかし、少女はぐったりとして動かない。 「あと1人いるぞ!!撃て!!」  兵士達が、少年に銃を向ける。 「ああ……ああああ!!!」  次の瞬間、少年の体から闇が溢れ出し兵士達を貫いた。 「が……は……!」  兵士達が倒れ、少年の周りに誰も居なくなる。ただ赤い血だまりが、広がっているのみだった。 「…………戦争さえ、無かったら……アビリティさえ、無かったら……!」  少年は震える声で呟く。 「……変えてやる。争いのない世界に……変えてやるんだ……!」  少年はそう言うと、向こうの方へ去ってしまった。
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