40 最終決戦

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* * * 「もしもーし。聖夜?」  懐かしい声がして、聖夜は目を開けた。 「旭……?」 「久しぶりだね」  旭はそう言って、柔らかく微笑む。 「ここは……」  聖夜は辺りを見渡す。しかし、見渡す限り白い世界で何もなかった。 「もしかして……また、魂の世界?」  聖夜が首を傾げると、旭は微笑みながら首を傾げた。 「ふふ……さて、どうでしょう?」 「ふっ……何だよ、それ……」  旭の少しふざけた様子に、聖夜は思わず吹き出してしまった。それを見た旭も、楽しそうに笑う。  しばらく2人で笑い合った後、旭が優しく微笑んで言った。 「……聖夜、私の言ってた未来、守ってくれたね」 「え……?」 「闇を払って世界を救って……聖夜、本当にヒーローみたいだった」  旭の言葉に、聖夜の頬が赤く染まる。 「ヒーローなんて……皆のお陰だよ。旭も、力を貸してくれただろ?」 「え?」 「『未来予知』!すごい助かったんだからな!」  聖夜はそう言って、明るく笑った。 「ふふ……そっかぁ」  聖夜の言葉を聞き、旭は嬉しそうに微笑む。 「……じゃあ、仲間達皆で掴んだ勝利だね」 「うん!そうだな!」  聖夜はニッと笑って見せた。  ……その時。  ポツリ、ポツリ……。 「雨……?」  聖夜の頭上から、降り注ぐ雫。不思議そうに上を見上げる聖夜に、旭は優しく微笑んだ。 「ほら、仲間が呼んでるよ」 「え……?」 「さぁ、戻らなきゃ。目を閉じて……」  旭に言われるがまま、聖夜は目を閉じた。すると、どんどん体が軽くなっていく。 「……聖夜、またね。いつか、遠い未来で……楽しいお話、沢山しようね」 (あさ、ひ……)  彼女の声が聞こえたのを最後に、聖夜の意識がふわりと途切れた。
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