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41 未来へ
* * *
「聖夜っ……聖夜!!」
名前を呼ばれて聖夜が目を開けると、そこは中学校の屋上だった。柊が泣きながら聖夜の顔を覗き込んでおり、彼女の涙で、聖夜の頬が濡れている。
「……柊」
「聖夜……!よかった……」
聖夜が起き上がると、他の仲間達も聖夜を囲んで安心した表情を浮かべていた。
「聖夜君……無事でよかった」
「もう……心配したのよ?」
「俺も焦ったぜ!」
「こ、これで一安心だね……」
「全く……お前は本当に無茶をする」
「みんな……心配かけてごめん」
聖夜は仲間達に微笑み、傍らのノエルを見た。ノエルも聖夜同様に、仲間達に囲まれている。
「みんな……」
「ノエル!!良かった……無事で、本当に良かった……!」
安心して涙目になるウォンリィを、他の仲間達が微笑みながら見ていた。
「……大丈夫だから。泣くな、ウォンリィ」
ノエルはそう言って体を起こすと、聖夜の方を見た。丁度2人の目が合う。
「ノエル……」
「……僕の負けだ」
ノエルはそう言って立ち上がり、聖夜に歩み寄った。聖夜も同様に、ノエルに向かって歩いて行く。
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