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「花琳さん、もしかして白雪さんのこと……!」
柊は花琳に向かって勢い良く身を乗り出す。花琳は恥ずかしそうに顔を赤くしながら、海奈にじとっとした視線を向ける。
「……もう、海奈?」
「ごめん……つい」
海奈は誤魔化すように笑った。
「告白したりしないんですか!」
「告白って……」
ぐいぐいと迫る柊に、花琳はたじろぐ。
「……負担になりたくないし、白雪君きっと昔のことなんて覚えてないもの……言えないわよ」
「でも!好きって言われて嬉しくない人は居ないですよ!」
柊の勢いは止まらない。
「白雪さんきっと喜びますって!」
その時、ドアが開く音がした。
「僕がどうかしたのかい?」
3人が視線を移すと、不思議そうに首を傾げる白雪と、白雪の影に隠れた深也が入り口に立っていた。
「し、ししし、白雪君!?」
白雪の姿を認めた瞬間、花琳は、顔を真っ赤にしながらガタリと立ち上がった。
その勢いで、彼女のティーカップが倒れそうになってしまう。それに気づいた海奈が、慌ててカップを支えた。しかし、自分の気持ちがバレてしまったか気が気じゃない花琳は倒れかけたカップに気づかず、早口で白雪を問い詰めた。
「い、いい、いつからそこに!?」
「僕がきっと喜ぶって言ってた辺りかな」
「そっかぁ……」
白雪に自分の想いが知られていないことを知って、花琳は胸をなで下ろした。すると、再びドアが開いて、今度は琴森が入ってきた。
「白雪君と花琳さん、居る?」
「はい。どうかしたんですか?」
「2人とも、聖夜君と翔太君の援護に向かってくれる?思ったより苦戦してるみたいで……」
「分かりました。……花琳、行けるかい?」
「う、うん!大丈夫よ!」
花琳は勢いよく頷く。白雪はそれを見て微笑み、談話室を出て行った。それに続き、花琳と琴森も早足で談話室を後にする。
「……あんなに分かりやすいのに、何でくっつかないんだあの2人」
深也がぼそりと呟く。
「ねえ、白雪さんも花琳さんが好きなのかな?」
柊が問うと、深也はびくりと体をすくめて、早口でまくし立てる。
「え、いや……ぼ、僕には分からないです……な、何か羨ましくて……つい偉そうなこと言いましたごめんなさい……!」
それだけ言うと、深也は談話室を出てしまった。
「……海奈はどう思う?」
柊はめげずに海奈に尋ねた。
「……どうなんだろ」
海奈は苦笑いして呟いた。
「人を好きになるって、どういう感じなのかな……」
「海奈……?」
「……ごめん、なんでもない」
海奈は紅茶を啜った。
「冷めちゃうよ。柊も飲みなよ」
「あ、うん……」
柊はティーカップを持った。
(海奈、もしかしてこういう話苦手だったのかな……)
少しはしゃぎ過ぎたことを内心反省しながら、柊は紅茶をこくりと飲んだ。
その時だった。
『天ヶ原駅前にて高次元生物が発生!隊員は直ちに向かって下さい!』
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