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「そうなのか……?」
琴森は、首を傾げて考え込む聖夜と、腕を組み眉間に皺を寄せる翔太の肩に、ぽんと手を置いて続けた。
「ここから先は、本人に聞いてみた方が良いかもね」
琴森の言葉に2人は頷いて、司令室を後にした。
* * *
「本人にって言っても、白雪さんどこに行ったんだろうな」
聖夜は廊下を歩きながら、翔太に尋ねた。
「……1か所だけ、俺に心当たりがある。」
「ほんとか!?」
聖夜は目を輝かせた。その様子を見て、翔太は少しだけ微笑みながら、
「ああ。ついてきてくれ」
と、早足で廊下を歩いた。
聖夜もそれに頷き、翔太の歩幅に合わせながら彼の隣を歩く。
2人が廊下の交差点に差し掛かると、任務終わりの柊と海奈にバッタリ出くわした。
「あれ、聖夜に翔太……どこ行くんだ?」
「もう任務は終わったんだよね?」
「うん!白雪さんに用があって」
聖夜はそう答えると、ふと思い立って2人に尋ねた。
「2人は白雪さんのこと、どの位知ってる?」
「ど、どの位……?」
顔を見合わせる海奈と柊を見て、翔太は付け加える。
「白雪さんが俺達をあまり頼らない理由を知りたくてな」
それを聞いて、柊と海奈は納得した表情で口を開いた。
「確かに……白雪さん、俺達に弱音吐いたことないよな」
「いつも余裕があって、寧ろみんなが白雪さんを頼りにしてるって感じだよね」
「病気のこともあるからさ、あんまり無理して欲しくないんだ」
聖夜がそう言うと、2人は頷いて同意する。
「確かにな……何でそうなのか分からないけど、俺達にできることがあればいいよな」
「2人とも、頑張ってね」
聖夜と翔太は頷き、出口に向かって歩いていった。
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