20 衝撃

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「はい。……エリスは特部を潰すように頼まれたと言っていました。だから、他にも仲間がいると思うんです」 「なるほどな……有益な情報をありがとう」  千秋は真剣な顔で頷いた。  高次元生物を送り出している敵が何者か、手掛かりが無い状態からみれば、この情報を得られたことは大きな一歩だ。  しかし、まだまだ不明な点は多々ある。 「じゃあ、そいつらを倒せば高次元生物は生まれなくなるのか?」  海奈の疑問に対して、千秋は首を横に振った。 「そう簡単にはいかないだろう」 「どうして?」 「高次元生物を生み出している施設を攻撃しない限り、敵を倒したとしても高次元生物は生み出される可能性があるからだ」  千秋の言葉を聞いて、海奈は納得した様子で頷く。 「なら、施設を探して叩けばいいんだな」 「ああ……これからの敵は高次元生物だけではない。高次元生物を生み出している人物と施設を探し出し、これ以上の惨劇を止めるんだ」 「はい!」  隊員全員が真剣な顔で返事をしたその時だった。 「大変です!」  総隊長室の扉が勢いよく開き、真崎が慌てて中に入ってきた。 「東日本支部より応援要請が入りました!」  焦っている様子の真崎に、千秋はしっかりと頷く。 「……分かった。翔太、柊、東日本支部へ向かってくれ」 「分かりました」 「了解!」  柊は元気よく返事をし、真崎と共に部屋を走り出ていく。  一方の翔太は、部屋を出る前に、聖夜にラッピングされた小さな贈り物を手渡した。  「え、俺に?」  突然プレゼントを渡されて、戸惑いを隠せない聖夜に対して、翔太は首を横に振る。 「違う。燕にだ。今日は誕生日なんだが……渡せそうにないからな」 「あー、なるほど。代わりに渡せばいいんだな」 「ああ。頼む」  それだけ言うと翔太は部屋を出て行った。  それを見送って、千秋は残りの隊員達を見渡して指示を出す。 「……話は以上だ。残りのメンバーは待機、またはパトロールにあたってくれ」 「了解!」
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