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聖夜と柊は琴森についていき、特部の施設を案内されていた。手始めに案内された部屋は、大きなモニターと機材のある広い部屋だった。数席あるデスクには制服を着た職員が座っており、モニターを確認しながらパソコンのキーボードを叩いている。
「大きいモニターだな……」
聖夜が感心していると、琴森はテキパキと説明する。
「ここは司令室。映ってるのは全国に設置している小型カメラの映像ね。ここでモニターを確認しながら、高次元生物を発見したり、隊員のサポートを行うの。高次元生物は知ってるわね?」
琴森が尋ねると、柊は頷いた。
「平たく言うと、怪物みたいなものですよね?時々ニュースになってますよね」
柊の言葉に琴森もまた頷く。
「念のため、詳しく解説するわね。高次元生物とは、人の形に近いものも居れば、全く違うものも居る、アビリティのようなもので人々を襲う怪物。その形態は多岐に及ぶわ。年間被害者数はおよそ1万人。うち死亡者数1000人。交通事故と比較したら少ないけれど、最近増加傾向にあるわ。……それを少しでも減らすのが特部の役目ね」
「特部か……そういえば、特部って何人くらい隊員が居るんですか?」
聖夜は不思議そうに首を傾げる。すると、琴森はウインクしながらこう言った。
「じゃあ、隊員達に今から会いに行きましょうか」
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