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少女は咳払いをして、柊の方を見て微笑んだ。
「東日本支部リーダー、早乙女鈴です。アビリティは『音塊』で、音を塊にして相手を攻撃するんだ。これはそのためのフルートね」
そう言うと、鈴はフルートを取り出し演奏を始めた。すると、辺りに緑色の球体が漂い始める。
「綺麗……!フルート、上手なんですね」
柊が拍手すると、鈴は満足げに笑った。
「気に入ってもらえてなによりだよ」
「わしらも自己紹介した方がいいようじゃのう」
鈴の隣に座っていた、おかっぱ頭の少年が立ち上がって柊の方を見た。
「橘忍じゃ。アビリティは『針』。よろしく頼むぞ」
「よろしくお願いします。……変わった喋り方ですね?」
柊に変わったものを見る目で見られているのを意に介さず、忍は得意げに話し始めた。
「よくぞ気づいてくれた!わしは由緒正しき忍びの末裔で……」
すると、忍の隣にいた小柄なポニーテールの少女がその口を塞いだ。
「むぐぐ……」
「よく分からないこと話さないでいいですから!」
少女は柊に向き直るとにこりと笑った。
「藍原結です!アビリティは『糸』で、細くて頑丈な糸が出せます!よろしくお願いします!」
「よろしくね、結ちゃん」
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