22 東日本支部

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 柊のアビリティが切れると、アリーシャは毒針を振り下ろした……が、そこにいるはずの鈴がいないことに気がつき、動揺した。 「どういうことなの……!?」  翔太はその一瞬の隙を見逃さなかった。 「『突風』!」  アリーシャは激しい風に吹き飛ばされ、壁に打ち付けられた。 「く……『毒針』!」  アリーシャは負けじと、先程と同様に毒針を放つ。 「させないよ!」  それに対抗すべく、鈴はフルートを吹き始めた。緑色の音塊が、毒針を全て相殺する。不測の事態の連続に、アリーシャは思わず頭を掻きむしった。 「毒が消えて、攻撃も通らない……いいわ」  アリーシャは、小さな白いキューブを取り出した。 「あなた達の大好きなあれを出してあげる!」  アリーシャはそう叫んで、キューブを手放した。キューブは地面に落ちると、激しく光り輝く。 「何だ……!?」  光が収まり、翔太が目を開けると、そこにアリーシャの姿は無かった。  その代わりに、転送されたのであろう薔薇の頭をした高次元生物が現れた。 「お前……は……!」  それの体は緑色で腕の代わりにとげのある枝が伸びている。  その全身の隅々までを視界に入れ……翔太は目を見開いた。  この高次元生物を、翔太はよく知っていたのだ。 「父さんと母さんを殺した、高次元生物ッ!!」  翔太の脳裏に、あの日の出来事が蘇る。
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