22 東日本支部

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 医務室の中には本来中央支部にいるはずの清野がいた。 「おや、翔太君に柊さんではないか。任務は終わったのかな?」 「はい……清野さんはどうしてここに?」 「応援要請があってね。毒に侵された人達の回復を行ってたんだよ」  翔太がベッドの方を見ると、毒で苦しんでいた人々がすやすやと眠っていた。 「それで、君達はどうしてここに?」 「柊を診てもらえませんか?アビリティの使いすぎで任務中に倒れてしまって……」 「アビリティ使いすぎで……分かった。そこの空いているベッドで診よう」  翔太は一番端のベッドに柊を横たえると、後ろを向いた。 「おや、紳士だね」 「女子ですから。変な所を見たなんて疑いをかけられても困りますし」 「ふむ……では始めようか」  清野は柊を診察し始めた。  まず、手早く首に下げた聴診器を耳につけ、心音を確認する。しかし異常は見られなかった。 (内蔵に異常は無さそうだ。今は顔色も悪くない。それに、柊さんは貧血持ちでも無かったはずだ。なら、一体何が原因で……)  清野は頭の中で柊のカルテを詳細に思い出しながら、翔太に質問を投げかける。 「アビリティの使いすぎと言っていたけど、柊さんはそんなに敵を『遅延』させていたのか?」 「いや……『遅延』は使っていませんでした。それより数段レベルの高い……『停止』や『巻き戻し』を使って、倒れたんです」 「なるほど……倒れるのは今日が初めてかな?」
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