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お風呂で翻弄され、ベッドでも幾度となく絶頂を迎える。頭がふわふわするのは脳の酸欠か、それとも寝不足による睡魔か…もうその区別さえつかない。
「っ…ィくぞっ…つぐみっ」
抗う力も同調する力も1ミリも残っていない私は、彼と一緒に果てることでさらに体力を奪われる。
「つぐみ…今はこれで眠れ…愛してる」
温かいタオルで体を拭かれているような気配を感じるが、声を出す力も指一本動かす力も残っていない。ただ稜牙の気配を感じ安心して眠った。
気づいたら土曜の昼になっていた。稜牙は一度起きたらしく、米だけは炊いてあるぞと笑う。
「ありがと…」
「セクシーな声だな」
「…誰のせい?」
「俺様のせいだな、くくっ…」
清々しい笑顔を横目にトイレへ行こうと起き上がるが周りに着るものがひとつもない。それに気づいた稜牙は一度起きて着ていたTシャツを脱ぎ、そのまま私にバサッと着せてくれた。彼の体温の残るそれに嬉しくなりキスしたくなったがトイレが先だ。ゆっくりとベッドから下りるとあまりの体のダルさを認識し、いつもの半分のスピードでしか動けない。
「つぐみ、抱っこ?」
「大丈夫…」
「そう?」
彼はそう言いながらベッドのシーツを外し始めた…よくできた俺様だ。文句のつけようがないじゃないか。
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