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「麻薬の売人を車で追跡中、銃撃戦で車が大破し、片眼と顔の下半分を失いました。
機能的には、あなたと同じですよ」
「わかった。人選は顔をサイボーグ化した四人にする。みな、海中の狭所、暗所を気にしない者たちだ」
「わかりました。全員を招集してください。明日、一〇〇〇時に、任務を説明しましょう」
「わかった」
吉永はディスプレイに向ってそう言った。
翌日。(二〇三二年、十月五日、火曜)
警察機構局特捜部指揮官室のソファーに、吉永と前田捜査官と二人の捜査官が座った。
壁のディスプレイで小関久夫CDB局長がいう。本間宗太郎警察庁長官は黙ったままだ。
「改良した高速移動可能なウェーブグライダー(波力移動海洋地震探査機)が東シナ海に浮遊しています。
四人は第六艦隊の輸送揚陸艦から、これらのウェーブグライダーに乗って、海中を沿岸近くへ接近し、地震探査機を海底に係留して、停泊している原潜のミサイルを爆破破壊してください。
原潜も戦艦も兵器を満載しています。ミサイルが破壊すれば他のミサイル、他の原潜、戦艦が誘爆します。任務の基本内容は以上です。
質問を受付けます」
「海中での爆破衝撃を緩和する装備はあるのか?」と吉永。
「今回、海上爆破ですから、海中の方が爆破衝撃波を受けにくいと思われます。
爆破装置セット後はすみやかに海中に避難撤退してください・・・」
その後、小関久夫CDB局長からの説明が続いた。
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