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六 情勢変化
「コンメイ シンセン アモイ シャンハイ経由の陸上物流が増えてます。
シンセンとタイワンの海路の物流は減ってます。
それと、これは過去になかった施設です・・・」
情報収集衛星の探査映像が中国の地上探査に気づかれない程度までシュウザン群島のシュウザン海軍基地が拡大し、その橫に二年前の比較映像が現れた。明らかに停泊している軍艦が二倍に増えている。
「これは・・・、東海海軍が兵力を増強してる。
ヘロインとダイヤの密輸は兵力増強のための外貨の獲得です。
東南アジアにも密輸しているはずです。
ASEAN連合国に報告しましょう」と班長の前田銀次捜査官。
「その前に兵力増強を報告する・・・」
立場上、吉永は防衛省極秘武器開発局(通称サイボーグ開発局・CDB(Cyborg Development Bureau))に出向している警察庁警察機構局特捜部の特別捜査官だ。警察機構局特捜部で得た情報の報告義務がある。
吉永はただちに中国の東海海軍兵力増強を、本間宗太郎警察庁長官と防衛省の極秘武器開発局の小関久夫CDB局長に報告した。
ディスプレイを通じて本間宗太郎警察庁長官と小関久夫CDB局長が話しあっている。
「なるほど、ヘロインやダイヤの密輸どころではないぞ。
特捜部は、よく、これを見つけてくれた!
小関局長!ただちに清洲防衛大臣に報告して、連合国へ通達だ!」
「わかりました!」
状況が異様な様相に変りつつあった。
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