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楽園
3度目の夏は今までの、どの時よりも過酷じゃ。ここは止まる木もある……。 しかし、あの場所は何処だったのじゃろうか? ……こうしてはおれん!嫁を…… 嫁を探さねば。体力が落ちてきたのがハッキリとわかる。だが! まだ死ねぬ。『ガキ共を蹴散らせ大作戦』を立てたにも関わらず真っ先に捕まるとは情けない。
身近な木より少し足を伸ばし、留まる事にする。すると
ナイスバディな嫁さん候補発見! !
早速、声を掛けてみる事にする。……コホン。
「ワシと楽園に行かんか? 果てしなく続く青い場所の話を聞かせてあげるぞ」
ナイスバディな嫁さん候補は小さな声で返事をした。
「あなたは海を見たことがあるの? 噂には聞いた事あるけど、まだ知らないの。いつか行けるかしら? 」
ワシは、命からがら逃げたその青い場所が初めて『海』だと知った。嫁さん候補は興味を持ってくれたらしく無事に子孫を残す事が出来た。ようやく天に帰ることが出来るようだ……。力が抜けてくるのを感じながら空を見上げた。
「海も悪くないな……。また…… 来よう……」
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