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「やーんこういうのすっごい憧れてたのーっ!!」たまらずガラスに顔を突っ込むようにし、「きれーい。……あっ、レインボーブリッジ!! あっちにスカイツリーもあるじゃん!! うわわ!! 最高ッ!!! ねー川上くん。あなた、こんな景色、毎日見て……」
はっ、と、すぐ隣にまで来ている川上くんを見て気づいた。……わたし。……ハ。
「はしゃぎすぎちゃったね……やだ。田舎者丸出しで、恥ずかしい……」
照れても遅いのだが。川上くんは、相変わらず、はははっ、と整った歯を見せて綺麗に笑い、わたしの頭を、ぽんぽんする。「……会社だと。バリア張ってるのに、やぁーっぱ会社外だと、ちょっと、素が出るよなぁ。……まあ、どっちの桃花も、……可愛い」
「や……隆宗……あの……」
「なぁに?」とネクタイを緩める川上くんは、絶対分かっていてやっている。
「その……」ガラスを背に。そっと頬を包まれ、上向かされる、この体勢は、……い。
「――いまの状況。きけーんっっっ!!!」
「うわっぷ」
「あっごめん……隆宗。大丈夫ッ!?!?」
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