#04.川上くんは裏で頑張る男です。

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「うん。めっちゃ好き」話題を切り替えたおかげか、笑顔を向ける川上くんは、「たまーにさぁ。ハンドドリップで入れてくれるコーヒー屋さんあるじゃない。そういうのめっちゃ好きで。そんで、……自分でも楽しめるようにと。道具揃えて、自分で淹れるようになったんだ。……まあね」  小さく首を傾げる川上くんは、 「いつか……絶対、桃花に淹れたげるって決めてたんだ……。桃花。めっちゃコーヒー、好きでしょう?」  ――よく分かってるなぁ。わたしのこと。  喫茶店でよく聞かれる、「コーヒーとミルクは」あれが一切なかった。そう。わたしはブラック党なのだ。  わたしはふふっと笑い、また――川上くんの淹れたコーヒーに身を委ね、「……人生史上一番美味しいコーヒーかもしれない。本当に、美味しいよ……」 「ほんとっ?」ぱっ、と顔を輝かせる川上くん。「わぁ、超嬉しい……!! ……なんかコーヒー飲んでるときの、桃花の顔っていいよねえ……見惚れる……」 「ちょっとそんなこと言われたら変に意識しちゃうじゃん」 「ははは。……桃花は必ず食いついてくれるから嬉しいよ……。と言っても」  ずい、と顔を寄せた川上くんは、 「ソフトSに見せかけて……さりげに、どMでしょう?」
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