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小さくせき込んだ。そんなわたしを見て川上くんは笑い、やっぱなぁ、と大きく頷く。
「おれと仕事してるときは、毎回おれのボケにビシバシ突っ込んでくれるけど……プライベートだと違うんだろうなあ、って思っていた……あれだけ突っ込めるのってやっぱ、いじられる側の喜びを知る側、ならではかなぁ、と思ってね」
ふふふ、と笑う川上くん。すっかり得意げだ。――ずばり、見抜かれたわたしは、返す言葉もない。
のだが。
「確かに、わたしは、職場ではSですけどぉ……」勿体つけた言い回しをする。「いま、川上くんに見せている自分が、素のわたしとは限らないでしょう？ ほんとのわたしが、どんなだか……知らないくせに」
敢えて、挑発的に言ってみれば、川上くんは、
「……じゃあ。見せてよ。桃花の全部を」
どきん、と、心臓が高鳴った。「……どういう意味？」
川上くんはわたしから視線を譲らぬまま、「なにに対して怒りを感じるのか。怒ったときの、反応とか……。会社だと、つんけんしてるように見えて結構抑えてるでしょう？」
……あ。「そっちか……」
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